ピアノを教えていて、時々“魔法みたいだなぁ”と思う瞬間があります。
年少さんや年中さんの生徒さんは、私が説明している最中に楽譜をめくりはじめたり、椅子をくるっと回したり、全く関係ない話をはじめたり……とにかく忙しい(笑)
「ちゃんと聞いてるのかな?」と思いながら説明を続けるのですが、
あとで「あの時先生、なんて言ってた?」と聞くと、しっかり答えられるんです。
不思議ですよね。
さらに驚くのは、両手の練習をしているとき。
その日は途中で止まってもうやらないと中断した時に、
「今日はここまでかな」と思いながらとりあえず最後まで説明だけしてレッスンを終えます。
ところが、数日後のレッスンで
「先生、できたよ!」
と突然両手で弾けてしまう。
まるで、頭の中で時間をかけてじわじわとパズルが組み上がっていったような感覚。
子どもたちって、大人が思っている以上に
“聞いていて、理解していて、自分のペースで育てている”んだなぁと
毎回驚かされます。
レッスンは、ただ音を教えるだけでなく、
子どもの可能性をそっと見守る時間でもあるんだと
改めて感じました。
「聞いてないようで聞いている」不思議な力
